かねこせんせーのジャズ日記。

ただジャズが好きなだけなかねこの自分との対話を書き記した日記。

ローカライズかグローバルか。手塚治虫の言葉を読みながら。

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今週末あたりから毎朝のYoutube配信の"かねこのジャズカフェ"は、童謡&唱歌編を終えて懐かしのアニメソング編に行く予定です。

そこでアレンジ前提のコードとメロディしか書いてない楽譜(左手の伴奏がない楽譜)を探したらこれが見つからない。

オークションで探してやっと見つかった。

そこに書いてあった手塚治虫の「日本人的」という言葉をみて、色々と考えることがあったので今日はこれについて対話したいと思う。

ローカライズかグローバルか

ということでオークションを探してやっと見つかる。なんと1979年の本。

生まれてないこの時代の本を2020年に手に取る不思議なトリップ感を受けながら、巻頭の手塚治虫の言葉にとても興味深く目を落とした。

今日までたくさんアニメーションの曲が出ていますが、今ひとつあとの時代まで残るものが少いと思います。また、ほとんどの曲が日本人的で、これでは国際的に通用しません。この原因のひとつとして、日本人の気質がおセンチで浪花節的なため、アニメーションの曲が歌謡曲に結びついていくのでしょう。(『アニメ・ソング・ヒット全集 第1集』より引用)

1979年は高度経済成長のまっさかりで、この後、バブル経済がやってくる時。

この時期この人はグローバルを意識をしていたみたい。

この巻頭の言葉はまだ続きそれも興味深いが、グローバルを意識したこの「日本人的」という言葉がとても印象的だった。

今はクールジャパンで日本のアニメ・漫画を世界に輸出されて、世界のいろんな人が知っている。

ちなみに今日の配信でもロシアの方が訪れてアニメ・漫画を好きだと言っていた。

今日のジャズ配信(二時間過ぎあたりがその会話です)

この日本人的というのは、今でいうローカライズされていることを指しているのだと思う。

ローカライズされたものをそのまま世界に出すか、あるいはグローバル目線で作っていくか。

クールジャパンはローカライズされた日本の文化をそのまま出して、世界に広がる一方、国際的に通用するように出ていったエンタメは韓国。

米ビルボートのチャートで一位をとっている。

ローカライズされたものでいえば日本のシティポップがアジアを中心に人気がでてきている。

竹内まりなのプラスティック・ラブ。そのほか真夜中のドアはこの年1979年に発売される曲だ。

オタクという意味は僕は「自分が興味あることに深く傾倒する人」の認識でいる。マニアと近いが意味合いは同じように思う。

矢野経済研究所が2017年に行った調査では5人に1人がオタクを自称しており、今後はそれが3人に1人になると言う見通しがあるらしい。

人口がどんどん減る中でオタク人口は増える、ということですね。

個人的な体感としてもあっているような気がしている。これからは超専門家が大事だろうなと思う。

共存する世界に生きている

手塚治虫はグローバル目線な人だったんだなぁということがわかって面白かった反面、なんとなく一つ思うことがある。

仮想通貨が中央銀行の発行する通貨に取って変わるより、おそらく共存してどちらかを選べるようになるような気がしている。

そんな中で多分、未来にもグローバルな戦略も(国際的なラインに合わせて作ること)、ローカライズしたものをそのまま世界に出すのも、どちらも共存しているような気もしている。

この時代ではもしかしたらシェアの概念が今ほど当たり前ではなく一つの考え方や一個、一人、という考え方だったのかもしれない。

今はシェアがあり、いろんなものが同時並行に存在する。共存する世界に生きている。

だとすると、未来にもきっとグローバルに合わせて作る経済と、ローカライズしたものを世界にだす経済と、どっちも同時並行で進んでいくような気がする。

文化のある国は、ローカライズしたものを出せるが、ない国は国際目線で。しかし韓国漫画も実は人気が出てきている絵柄を見る限り日本のものと遜色ないくらいなっている。

クラシック・ジャパンとクール・ジャパン

そういえばKindle Unlimitedで読めたので興味本位で読んだ本でクールジャパンという言葉に対して「クラシックジャパン」という言葉を使っているのがとても印象的だった。

クラシックジャパンとは禅などの古くから日本にある文化のことをさすのだそうだ。これは一般的な言葉ではなくその人の造語かもしれないが、とても興味深い考え方だった。

世界には最近の日本の文化のクールジャパンより昔の文化の禅や神社仏閣など寿司などの昔のクラシックジャパンが好きな人もいる、と。

そうなるとローカライズされたものを出すにしても、自分はクラシックジャパンをベースにするのか、クールジャパンをベースにするのか

これらはとても重要な概念だと思う。理由はこれが一番大きなくくりな気がしているからだ。

日本にいて、日本のものを日本のどんな人たちに発表するのか。あるいは日本にいて日本のものを海外のどんな人にだすのか。

ほかにもいくつかパターンが考えられる。

そしてこの大きなくくりが決まらないとどんなに細かいところを考えても細かいカテゴライズが全然刺さらなくなる。

ちなみにずっと前に僕はこの辺りは、クラシックジャパンベースで、海外で行こうと和風ジャズを作った経緯がある。

しかしやはりそれだけではいけないので、ここらでアップデートが必要だとも思っている。

それにしても、オークションで買った楽譜の思わぬ言葉が、自分に大きな気づきと新たな問いを残してくれたことに感謝をしたい。

そんなことをしなくても手塚治虫の漫画やアニメには十分お世話になっているけど。ありがとうございます。2020年1月14日 かねこ

「ただジャズが好きなだけ」な毎日ジャズピアニストの金子将昭。見てるだけで音楽やジャズや文化が詳しくなる動画を投稿しています。
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